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【助産学生さんの就活応援】就職先候補の情報収集のポイント

新卒で入職する病院選びは何を基準に選べばいいのだろう―新卒で入職した病院は、助産師人生のスタート・自分の助産師の基礎を育むといっても過言ではありません。

私自身は助産実習が始まる前に『内定がほしい』と情報収集も不十分に就活した記憶しかありません。運よく就職先の職場環境に恵まれましたが…再現性はありません。

『辛い』・『やめたい』という新人さんのお話を聞いていると『なりたい自分と就職先のミスマッチ』が考えられました。助産師として長く働いてきた経験を活かし、『就職先の情報収集のポイント』についてこの記事でまとめたいと思います。

キャリー

この記事は、『情報収集のポイント』をまとめています♪

こんな助産学生さんにおススメの記事です ↓

・入職先の病院選びに失敗したくない
・情報収集何から始めればいいか分からない
・集めた情報の持つ意味が分からない
・情報収集した項目を何から優先させたらいいか分からない

助産学生

情報収集はどんな項目があるの?

キャリー

以前ツイートした内容が参考になるかも!

助産師が就職するなら、就活で情報収集したい項目はなんと 45項目!

(ツイートより項目増やして、バージョンアップしました!)

ツイートでは情報項目を羅列しただけななので、この記事では情報1つ1つを整理していこうと思います。

情報整理を行い、以下の3つの疑問をクリアにできたらと思います ↓

  1. この情報はどこから収集すればいいの?
  2. この情報はどんな意味があるの?
  3. 収集した情報から何を優先させたらいい?

この記事は『病院就職』の就活にフォーカスしています!

目次

情報収集の項目は何がある?

就活をする上で情報収集したい45項目を『基本情報』・『福利厚生』・『助産師のキャリアデザインに関する情報』・『就職試験・採用に関連する情報』の4種類に分類しました。

基本情報

  • 給与
  • 待遇
  • 休日数
  • 残業
  • 勤務形態…2交代?3交代?
  • 通勤時間
  • 看護体制・看護配置
  • 離職率
  • 教育体制
  • 部署ローテーションあり?
  • 周産期センター
  • 助産師数
  • 産科の助産師と看護師の割合
  • 助産師の配属は産科以外にもあり得る?
  • 新卒産科配属?
  • NICUの有無
  • 在胎週数何週から受け入れ可能?
  • 麻酔科・手術部は当直?オンコール?
  • 時短やパートで働ける?

助産師のキャリアデザインに関する情報

  • 分娩件数
  • 100例分娩介助できる目安
  • 帝王切開率
  • 母体搬送の有無
  • 無痛分娩の有無、割合
  • 助産師外来・院内助産の有無、割合
  • 助産師外来はいつから担当するの?
  • 院内助産はいつから担当するの?
  • アドバンス助産師率
  • 母児同室?母児別室?
  • BFH
  • 母乳育児の流派は?桶谷?SMCなど
  • 産後ケア事業を行っている?
  • 母親学級の充実度
  • マタニティヨガやピラティスは助産師が対応?外部講師や他職種?

福利厚生

  • 産休・育休の取得率や期間は?
  • 託児所の有無
  • 寮の有無
  • 図書室の有無

就職試験・採用に関連する情報

  • 就職試験日
  • 応募方法
  • 応募書類…※
  • 面接
  • 小論文あり?
  • 就職説明会、病院見学・インターンシップはいつ?
  • 説明会や見学、インターシップの申し込み方法

※成績証明書・卒業見込証明書・健康診断書

どこから情報収集するの?

情報集の方法は主に3種類の経路があると考えています。

  1. 『病院のホームページ』などネット検索で情報を得る方法
  2. 各病院の説明会・見学会・インターンシップに参加、もしくは『合同説明会』に参加する方法
  3. 『その病院に就職している先輩に聞く』という生の声(1次情報)を得る方法

各病院の説明会や見学会は質問できる機会はありますが、時間に限られています。あらかじめ、ホームページから情報収集できるものはネットで検索しておきましょう。他にも資料請求で病院の情報が得られるので気になるの病院があれば、資料請求も検討してみてください。

①ネット検索で得られる情報
②参加して得られる情報
③生の声(一次情報)
  • 給与
  • 休日数
  • 勤務形態…2交代?3交代?
  • 通勤時間
  • 看護体制・看護配置
  • 部署ローテーションあり?
  • 周産期センター?
  • 助産師数
  • NICUの有無
  • 託児所の有無
  • 寮の有無
  • 母体搬送の有無
  • 無痛分娩の有無
  • 助産外来・院内助産の有無
  • 母児同室?母児別室?
  • BFH
  • 産後ケア事業を行っている?
  • 母親学級の充実度
  • 教育体制
  • 産科の助産師と看護師の割合
  • 新卒産科配属?
  • 助産師の配属は産科以外にもあり得る?
  • NICUは在胎週数何週から受け入れ可能?
  • 麻酔科・手術部は当直?オンコール?
  • 図書室の有無
  • 分娩件数
  • 100例分娩介助できる目安
  • 帝王切開率
  • 母体搬送の件数・割合
  • 無痛分娩の件数・割合
  • 助産師外来・院内助産の件数・割合
  • 助産師外来はいつから担当するの?
  • 院内助産はいつから担当するの?
  • アドバンス助産師の人数・割合
  • 母乳育児の流派は?桶谷?SMCなど
  • マタニティヨガ・ピラティスは助産師が対応?外部講師や他職種?
  • 残業時間、頻度
  • 離職率
  • 時短やパートで働ける?
  • 産休・育休の取得率や期間は?

あくまで私が考える分類です。参考程度にしてください。

STEP
ネット検索で集められる情報を収集する
経路別の情報①を中心に情報収集行う

病院のホームぺージには、妊産婦さん(患者さん)に向けた情報が発信されています。ネット検索は、情報収集のハードルが低いのですぐに始められます。ですが、時間の制限がなければどこまでもネット検索できてしまします。(ネットでは得られない情報もたくさんありますが…)やみくもに情報収集せずに、必要な項目を取りに行くためにチェックリストを活用しましょう。直接確認しないと分からない情報は、次のステップへ。

情報収集の経路別リストを参考に先に検索で得られる情報から集めていきましょう。

STEP
資料請求する、説明会などに実際に参加する
経路別の情報②を中心に情報収集行う

資料請求することで病院のホームページにない情報を得られるメリットがあります。説明会では、直接質問できるというメリットがあるので、直接聞かないと分からない情報をリストアップし、質問の優先順位を決めておくことをおススメします。

助産学生

経路別情報③の集め方が分かりません…

『その病院に就職している先輩に聞く』という方法をあげましたが…生の声ってなかなかコネやご縁がないと難しいと思います。でも、諦めるのはまだ早いと思います。

『SNSで検索する方法』や『転職エージェント』のサイトから情報収集するという代替方法も考えられます。

助産学生

転職エージェント?

今すぐ転職したい方におすすめ!多くの看護師さんから圧倒的に支持されている、登録しておいて損のないサイトです。職場のリアルな内情を幅広く把握し、残業時間や人間関係などはもちろん、離職率と理由まで教えてくれるため入職してからのミスマッチがありません!もちろん退職交渉・給与交渉などのサポートも充実◎

年収600万円以上、年間休130日以上など好条件求人が豊富!無理に転職を勧められるのではないかという心配は無用で、興味のない求人は断ってOK。すぐにまた求人を紹介してくれるため、安心して利用可能です。

看護roo!(看護師転職エージェント)

転職エージェントとは文字通り「転職」を前提とした求人情報提供を行なっているサイトであり、「新卒者の就職」を対象としている訳ではありません。あくまで、情報収集の活用の手段の1つとしてお考え下さい。

看護roo!のホームページには

【例文集】履歴書・面接で使える看護師の志望動機17例|看護roo! 転職 (kango-roo.com)

など就活に使えそうな情報がたくさんあります。

\ 登録は無料 /

助産学生

この前参加した病院説明会では、『残業』については聞きにくかったです…

『残業時間、頻度』・『離職率』・『時短やパートで働ける?』・『産休・育休の取得率や期間は?』という情報って、病院説明会で聞きにくい雰囲気ありませんか?

師長

私のような管理者にズバリ聞くってなかなか勇気がいるんですかね…

キャリー

正直師長さんクラスには聞きにくいよね…2~3年目さんのお姉さん世代なら聞きやすいかもしれませんね。

病院の説明会で『学生さんにメッセージ&質問に答える』時間があったら、積極的に活用してみてください。説明会以外にも『インターシップ』などはそこで働いている助産師さんの生の声が聞こえるので、就職候補の病院のインターンシップに参加できる機会があればおススメですよ。

この情報はどんな意味があるの?

助産学生

情報収集したけど、この情報はどんな意味があるの?って情報がたくさんあります…

キャリー

ここから、集めた情報を分析していきましょう!

分娩件数

『分娩件数』年間の病院ごとの件数を比較検討するだけでは不十分だと思っています。『分娩介助』をたくさん経験したいと望む助産師は、『分娩件数』が少ない施設より多い施設を選びがち!!でも…その前に『帝王切開率』『100例分娩介助できる目安』『産科の助産師と看護師の割合』も併せて情報収集して、総合的に検討できる方がおススメです。

分娩件数と帝王切開率がわかるWebサイトはこちら ↓

年間分娩件数ランキング | 医療介護情報局 (caremap.jp)

分娩件数が600件未満の医療機関の掲載はないので、都道府県別『分娩実績一覧』を参考にしてください。

「正常分娩」・「選択的帝王切開」・「緊急帝王切開」別に件数が分かる以外にも、「都道府県」別に検索できるからおススメです。帝王切開の中でも「緊急帝王切開」が多い病院は「ハイリスクな分娩」を取り扱っていることが読み取れます。

「ハイリスクの対応ができる助産師になりたい」という目標があれば、「帝王切開率」は必ず情報収集しておきましょう。そして、どこからがハイリスクなのかという基準の設定は難しいですが、全国の割合からみて就職先の『帝王切開率』を検討するのがいいのかもしれません。

分娩件数にしめる帝王切開娩出術の割合は年々増えており、平成23年では一般病院で24.1%にもなっています。約4人に1人が帝王切開で出産していることになります。

厚生労働省の「医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況」

帝王切開率の平均は、総合周産期母子医療センターが 37.6%、地域周産期母子医療センターが 31.6%、総合・地域周産期母子医療センター以外の病院が 22.0%であった。

平成 30 年度厚生労働省看護職員確保対策特別事業 「院内助産・助産師外来の開設による効果に関する調査報告書」より

帝王切開率が50%以上の病院も存在するので、分娩件数の多さだけで『分娩介助』が多くできるとは限りません!

このWebサイトでまず情報収集してから、実際の病院説明会や見学会の時に以下の質問をしてみることをおススメします。

助産学生

助産師さんと看護師さんの割合は?

師長

看護師さんの割合が高いと助産師のメインの業務は『分娩介助』が多くなります。

助産学生

100例分娩介助するまで何年くらいかかりますか?

師長

〇年くらいかかりますよ。

参考ですが…私は年間1200件相当の分娩施設で勤務しています。看護師と助産師の割合は、0.5:9.5くらいで、助産師がとても多い環境で働いています。分娩係が始まって、約3年くらいで100例分娩介助することができました。

友人の話ですが、分娩件数600くらいのクリニックに異動して

友人

3か月で50例も分娩介助したよ~

と話していて、本当に病院によって介助できる分娩件数は違うな~と実感しました。

助産師のスキルアップ

スキルアップできる環境や興味のある分野に精力的に取り組んでいる病院があるはず!

以下の項目を情報収集することで、病院の特徴や助産師としてどんな実践能力が磨けるかを解説します。

助産師外来・院内助産の有無、割合

助産師として自律して働けるか環境や風土があるかを読み取れると考えます。実施の有無だけではなくて、割合からも『助産師外来・院内助産』への熱量が分かります。その施設には、誇りをもって『助産ケア』を実践している先輩に出会えるかも。データによると、助産師外来利用者0人というところもあり、平均から読み取るのは難しいと感じました。院内助産は10件/年あれば、平均的といえそうです。

助産師外来利用者の延べ人数については、「901~1000 人」が 23.2%(76 施設)で最も多く、次いで「0 人」が 16.8%(55 施設)、「51~100 人」が 12.8%(42 施設)で、平均は 707.9 人であった。

周産期医療機能別にみると(中略)平均は、総合周産期母子医療センターが 765.0 人、地域周産期母子医療センターが 667.1 人、総合・地域周産期母子医療センター以外の病院が 749.1 人であった。

平成 30 年度厚生労働省看護職員確保対策特別事業 「院内助産・助産師外来の開設による効果に関する調査報告書」より

過去 1 年間の全分娩件数のうち、院内助産分娩件数は、「1~10 件」が 30.6%(26 施設)で最も多く、次いで「101 件以上」が 17.6%(15 施設)、「11~20 件」が 11.8%(10 施設)で、平均は 7.6 件であった。周産期医療機能別にみると、総合周産期母子医療センターでは「1~10 件」、「11~20 件」、「101件以上」が 25.0%(4 施設)であった。

地域周産期母子医療センターでは「1~10 件」が 26.3%(10 施設)で最も多く、次いで「0 件」が 15.8%(6 施設)、「101 件以上」が 13.2%(5 施設)であった。

総合・地域周産期母子医療センター以外の病院では「1~10 件」が 38.5%(10 施設)で最も多く、次いで「101 件以上」が 19.2%(5 施設)、「11~20 件」が 15.4%(4 施設)であった。

平均は、総合周産期母子医療センターが 12.1 件、地域周産期母子医療センターが 11.4 件、総合・地域周産期母子医療センター以外の病院が 4.0 件であった。

平成 30 年度厚生労働省看護職員確保対策特別事業 「院内助産・助産師外来の開設による効果に関する調査報告書」より

無痛分娩の有無、割合

欧米諸国に比較すると実施率が少ないといわれている日本ですが、近年無痛分娩が増加傾向にあり、社会的にもニーズの高まりを感じています。

無痛分娩は505施設(全分娩取扱施設の26%)で実施され、その実施率は全分娩の8.6%でした。2017年の日本産婦人科医会調査では2016年の実施率は6.1%であったことから考えると、無痛分娩の実施率は増加傾向にある。

厚生労働省 令和2(2020)年度医療施設(静態)調査より

この社会的ニーズの高まりから助産師にも『無痛分娩』の管理能力が今後必須能力と求められる未来もそう遠のくないだろうと私は考えています。だからこそ、『無痛分娩』について学ぶ環境で働くことも、助産師のスキルアップを考えたうえで選択肢の1つになることでしょう。

無痛分娩を行った妊産婦死亡14例中、診療所で行ったものは8例。無痛分娩を行った妊産婦死亡14例中、麻酔が原因であったものは1例。

平成29年度厚生労働特別研究事業 会議資料より引用

『妊産婦死亡』のニュースから、『無痛分娩』は怖いというイメージがあると思います。私も『無痛分娩』のケアに関わるまで抵抗感の方が大きかったです。

ですが、『無痛分娩』でお産の時に満足したという妊産婦さんを実際に見ると考えがなくなりました。ニーズがあるなら、安全に『無痛分娩』を行うにはどうすればいいか―という考えにシフトしました。

もし、『無痛分娩』も実施している施設で学びたいと考えるならば、プラスαの情報収集をするならば『無痛分娩の対応は経験年数で制限があるか?』という点も確認しておくといいと思います。病院によって、アドバンス助産師のみが対応、経験3~5年目以上と制限があることもあるからです。

あとは、その施設の『無痛分娩』は安全に管理されているかと少し批判的な視点で考えるのもいいかもしれません。

麻酔科医がオンコール体制のため、平日日中のみの対応と安全管理上制限しているところもあれば、麻酔科医不在の病院もあります。

母体搬送の有無、割合

母体搬送は受ける側だけがハイリスク妊産婦のケアを行うわけではありません。送る側にも、送る判断やそのタイミングという高いスキルが求められます。

周産期センターの機能

周産期母子医療センターには、「総合周産期母子医療センター」と「地域周産期母子医療センター」の2種類があります。

周産期医療の体制 はこちら ↓

Microsoft PowerPoint – 周産期医療の体制 (mhlw.go.jp)

周産期母子医療センター(R4.4.1現在) (mhlw.go.jp)

どちらもハイリスク妊産婦さんを受け入れるので、NICUを併設しています。ですが、病院によって受け入れ可能な赤ちゃんの在胎週数が違います。

また麻酔科・手術部が当直なのか、オンコールなのかで『グレードA』超緊急切開の方針決定から実際のオペ出しまでの時間が全然違います。

方針決定から実際のオペ出しまでの時間に合わせて、医師に早めの報告が必要かという助産師の能力が問われます。

アドバンス助産師

将来、アドバンス助産師を目指すなら…その施設のアドバンス助産師の比率新規申請の年次の目安なども併せて確認できると、就職先の施設でアドバンス助産師を目指す将来がイメージできます。

アドバンス助産師 認証者数 2021年 8,327名

 一般財団法人 日本助産評価機構 

母乳育児

施設によって、母乳育児の流派?(支援団体の方針や乳房ケアの方法)が違います。

母乳育児を支援する7団体を以下にあげます。

  • 桶谷式乳房手技
  • 堤式乳房マッサージ法BS ケア
  • SMC 方式乳房マッサージ
  • 日本母乳の会
  • NPO 法人ラ・レーチェ・リーグ日本
  • NPO 法人日本ラクテーション・コンサルタント協会(JALC)
キャリー

どれがいいとか、悪いとかじゃなくて…就職先の施設が考える母乳育児の方針は知っておいて損はないと思います。

赤ちゃんにやさしい病院Baby Friendly Hospital(BFH)認定

WHOとUNICEFは、「母乳育児を成功させるための10ヵ条」を長期にわたって尊守し、実践する産科施設を「赤ちゃんにやさしい病院」として認定している。2019年8月時点で、日本国内では66施設が認定されている。

医学書院 助産診断・技術学Ⅱ 分娩期・産褥期 p.344 NOTE1より

BFHの病院は母乳育児を推奨しています。友人の病院では、帝王切開当日から送迎授乳を行い、ほとんど新生児室で預かることをしないと聞きました。

産褥早期の頻度の高い授乳により母乳の分泌はよくなります。母乳育児の考え方も個人によると思いますが、組織的に母乳育児に力を入れている指標と考えて差支えないと思います。

産後ケア事業は行っている?

産後ケア事業:退院後の一定期間(1週間程度)、助産所で母体の保護・保健指導などのサービスを提供する産後ケア事業が一部の市町村で行われている。退院後に家事・育児支援が受けられない褥婦や、自立に向けてきめ細やかな保健指導を必要とする褥婦を対象としている。利用料の半額を公費で補助しており、今後、より多くの市町村で実施されることが期待される。市町村の委託によらず産褥入院を受け入れている助産所もある。この場合の利用料は全額自己負担となる。

医学書院 助産診断・技術学Ⅱ 分娩期・産褥期 p.294

教科書では助産所とありますが、個人でも総合病院でも産後ケア施設を導入している施設はたくさんあります。

産後ケア事業の概要や目的は厚生労働省の下記のPDFが分かりやすいです。

(セット)母子保健R4予算案 (mhlw.go.jp)

キャリー

国家試験の勉強になるから、『産後ケア事業』の概要は理解しておいて損はなし!!

2020年度から、下記の要件を満たした助産師を日本助産師会の産後ケア実務助産師研修修了者とする制度を開始しました。

  • 30時間の研修
  • 実習…※

※産後ケアの実務経験があれば、実習は免除されます。

産後ケア実務助産師については、産後ケア実務助産師研修について|研修会・セミナー|公益社団法人 日本助産師会 (midwife.or.jp)をご参照ください。

母親学級の充実度

母親学級の種類やクラス運営・内容も病院によってさまざまです。どんなクラスがあるかは、病院のホームページで確認できます。

病院によっては、『マタニティヨガ』のクラスを助産師が行っているところも。外部の専任の方がクラスを担当されることもあります。興味のある方は病院説明会で質問してみるといいと思います。

キャリー

趣味のピラティスの延長で『マタニティピラティス』の指導者コースを受講したことがあります。同じクラスの助産師さんは、院内で指導実践されるために受講されていました。

教育体制

新卒助産師で働くうえで、気になるポイントの1つが『教育体制』ではないでしょうか?
病院のリクルート用パンフレットなどに、院内の教育体制について書かれているのをよく見ます。ラダー別に「医療安全」や「感染対策」が学べる仕組みがあります。総合病院などの入職者の多い病院は、教育体制が整っているいる印象です。また、産科単科の個人病院は実践的なことを個別に教わる印象があります。(これは好みなので、どちらかを推奨している訳ではありません。)

私自身は総合病院に勤務している立場で、就活している助産学生さんにココも必ず調べておいた方がいいよってポイントがあります。

キャリー

就活の情報収集は、就職後のリアリティショックのギャップをなくすために、自分のために行うといいと思います。

部署ローテーションはある?
助産師の配属は産科以外にもあり得る?新卒産科配属?
産科以外の配属はNICU?それ以外の部署もある?
産科以外に配属された場合、異動できるタイミングは?

キャリー

事前に情報収集していても、希望通りの配属になるとは限りませんが…産科以外の配属があることや異動のタイミングを知っているかで、心の準備やモチベーションの維持につながると思います。

離職率

『離職率』は新卒・病院全体とデータを取っている病院は多いはず。(ない病院もあるかもしれませんが…)
説明会や実際に働いている先輩に聞ける機会があるなら、年次のどこで離職率が高くなるかを調べることをおススメします。例えば、入職1~2年目で離職率が高いとなると教育体制や人間関係に難あり?3~5年目であれば、退寮時期やキャリアステップ、ライフイベントを迎える時期と重なります。ライフイベントを迎えても、働き続けられる環境かも考えてみましょう。『時短やパートで働ける?』『産休・育休の取得率や期間は?』といった項目も情報収集できると、ライフイベントを迎えても長く働きやすい環境かもしれません。

比較参考にするデータは看護職全般になりますが、「2021 年 病院看護・外来看護実態調査」 結果が参考になると思います。

離職率は 看護職員 10.6%、新卒 8.2%に

公益社団法人 日本看護協会 広報部 「2021 年 病院看護・外来看護実態調査」 結果より

『離職率』を調べていて、新卒で8.2%以上・全体で10.6%以上の病院なら…平均以上に退職される理由が何かあるかもしれません。

残業時間

『残業時間』は下記のデータを参考に、就職先の月換算残業時間を確認しましょう!残業がないことはベストですが…6割の看護職は月に5~20時間未満の残業をしていると考え、それ以上に残業があるということは…忙しいところ?マンパワー不足?労働環境改善に対する意識が低いの?といろいろな視点で考えてみるといいと思います。

不払い労働を含む実際の時間外労働では「5時間以上」は64.1%、「20時間以上」で20.3%、「30時間以上」で8.6%、「50時間以上」も1.8%となっています。さらに、看護師の「過労死ライン」と言われる(村上優子さんの裁判で明らかになった)「60時間以上」が0.8%・254人もいました。これは看護職員全体でみると、約11,360人が過労死ラインで働いていることになり、とても危険で深刻な問題と考えます。

日本医労連 「2017年 看護職員の労働実態調査結果報告」結果より

休日

キャリー

結論からいうと、大体120日か104日か78日が求人票でよく見ます!

助産学生

年間何日休みって記載していないところもあるよ…

病院の求人票を見ると、休みに関して『4週8休』や『4週6休』、『週休2日制』、『完全週休2日制』といった記載があります。本来、労働基準法32条で規定された「法定労働時間」では、1日8時間、1週40時間という働き方を原則としています。

この規定に基づいている場合には、1日8時間以上、週40時間以上働いた部分については時間外の労働賃金を支払わなければなりません。ちなみにカレンダー通りで『完全週休2日制』、祝・祭日が休みの企業などは、約120日のお休みがあります。

完全週休2日制

『完全週休2日制』だと上記の通り、約120日のお休みがあります。

週休2日制

『4週8休』や『4週6休』は、4週間の間のどこかに8日、6日の休みが入るという考え方です。例えば『4週6休』の場合、土曜日が隔週で休みになるといった方式があります。

『週休2日制』の考え方は、『完全週休2日制』のように、毎週2日休みがあるということではなく「1ヶ月間に2日休みがある週が1度以上ある」という意味です。つまり月に5日しか休みがなくても『週休2日制』と記載されているようです。

厚生労働省の「労働時間・休日に関する主な制度」では、“使用者は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません。”と定められているので、週に1日しか休みがもらえなくても法律に違反しているわけではありません。しかし年間で見た場合、週に何日休みがあるのかで大きな差が出ます。1年はおよそ52週ありますが、『4週8休』であれば104日です。これに対して『4週6休』では、52日と隔週の休み26日分を合わせても78日です。

師長

他にも、休日数は多くても、有給休暇の消化率もいいとは限りません。

キャリー

『有給の取りやすさ』や『連休の取りやすさ』はそこで働く先輩に聞かないと分からない情報ですね。

収集した情報×自分の描くキャリアデザイン×理想のライフプラン

情報収集をした後、その情報からどこの病院で働くと『自分の描くキャリアデザイン』と『理想のライフプラン』に近づけそうか考えていきましょう。そして何を優先するかを考えていきましょう。

情報収集リストは、全部集める必要はありません。

ここからは、『自分の描くキャリアデザイン』と『理想のライフプラン』から逆算して、5つのモデルケースをあげました。モデルケース別に優先的に集める情報項目を整理しました。

なりたい助産師像から逆算する

助産師としてのキャリアを形成した方はこちらから↓

ハイリスクに対応できる助産師を目指したい

ハイリスクに対応できる助産師になりたい場合の情報収集優先項目はこれ↓ 

  • 周産期センター
  • NICUの有無
  • 在胎週数何週から受け入れ可能?
  • 分娩件数
  • 100例分娩介助できる目安
  • 帝王切開率
  • 母体搬送の有無
  • 無痛分娩の有無、割合
  • 麻酔科・手術部は当直?オンコール?
  • 助産師外来・院内助産の有無、割合
  • 助産師外来はいつから担当するの?
  • 院内助産はいつから担当するの?
  • アドバンス助産師率

母乳支援や産後支援が得意な助産師になりたい

母乳支援や産後支援が得意な助産師になりたい場合の情報収集優先項目はこれ↓

  • 母乳育児の流派?(支援団体の方針や乳房ケアの方法)
  • 母児同室?母児別室?
  • BFH
  • 産後ケア事業を行っている?

妊産婦さん1人1人にゆっくり関われる助産師になりたい

妊産婦さん1人1人にゆっくり関われる助産師になりたい場合の情報収集優先項目はこれ↓

  • 看護体制・看護配置
  • 助産師数
  • 残業時間や頻度
  • 受け持ち1人あたりの患者数

理想のライフプランをキャリアに落とし込む

ワークライフバランスを重視したい時はこちら↓

3年以内に(今の彼氏と)結婚する(したい)

学生時代からお付き合いしている彼氏さんと入職2~3年で結婚するスタッフを見てきました。就職をきっかけに同棲するカップルも多いです。3年以内に(今の彼氏と)結婚する(したい)場合の情報収集優先項目はこれ↓

  • 寮の期限は?
  • 住宅手当
  • 新卒産科配属?
  • 離職率
  • 時短やパートで働ける?
  • 夜勤をしない選択肢はある?

子どもが〇歳までにほしい

『子どもは授かりもの』—不妊治療を経験された妊産婦さんをたくさん見てきました。女性が望んだ時に妊活できることは理想ですが…働く環境によっては、妊活するには過酷な現場だったりしますよね。妊活に周囲の理解がある方が働きやすいのは事実です。妊活に柔軟に対応できる環境で働きたい場合の情報収集優先項目はこれ↓

  • 産休・育休の取得率や期間は?
  • 託児所の有無
  • 時短やパートで働ける?
  • 夜勤はいつまで免除?

最後に 

最後に、注意したいのは

就活後も見直しの期限やタイミングを設けること!

例えば、1年・3年・5年という節目のタイミングで考えることをおススメします。

なぜなら、寮の期限やライフイベントを考えるタイミングと重なるからです。

私自身の助産師のキャリアを考えると、新卒で就職した病院が『自分のなりたい助産師像』と『職場環境』がマッチしたから8年間働き続けることが出来たと思います。

今の職場には、とても感謝していますが…今後、結婚・出産・子育ての将来を見据えると、このまま今の職場で働いていていいのかな~なんて漠然とした不安を抱いています。助産師のキャリア形成だけでなく、ワークライフプランも見据えた自分にあった病院や職場選びは大切ですね。だからこそ、ライフイベントの節目のたびに見直していきたいですね。

キャリー

今後『助産師の転職』についても発信していきたいと思います!

助産学生さんが勉強に実習にとっても忙しいことを身をもって私は感じています。

だけど、助産師としての基礎を形成するであろう最初の就職先をしっかり見定めて、納得して就職してほしいという思いも強く…就職先の情報収集が効率的にできる下記のような思いでこの記事を書きました。

  1. なりたい助産師像に成長できる環境を見つけることできる
  2. 希望する場所に就職できるきっかっけになる
  3. 入職後に思っていた環境と違ったというギャップを小さくすること

この3点を意識して、私自身や周囲の経験、就職支援をされている方に教えて頂いた知識をもとにまとめました。少しでも、参考になれば嬉しいです♡

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この記事を書いた人

地域周産期センターで働くアドバンス助産師です。今春、助産師9年目になりました。コロナ渦で、オンラインという形で助産実習に関わりました。実習が満足にできない環境で、努力されている助産学生さん、新人助産師さんの役に立ちたいという思いで、このブログを立ち上げました。8年間助産師をしてきた私のマインド、考え、情報を発信していきます。

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