
助産師になりたいです。看護師しながら助産師になれますか?



看護師という強みを生かして、助産師になる方法はありますよ。
この記事では『看護師から助産師になる』までの過程を解説します。
特に看護師として働きながら助産師を目指すために大切なポイントは以下の3点です。
- 看護師経験は強みであることを自覚する
- 看護師資格を活かして効率よく学費&生活費を確保する
- 人生の2~3年を助産師になるために専念する&時間を確保する
看護師から助産師になるための3つのルート
助産師になるには、まず看護師免許が必要になります。
看護師免許を取得後、助産師を育成する教育機関で1年以上学ぶ必要があります。



看護師資格を既に持っているので、助産の勉強に専念できますね。
助産師学校(助産師を育成する教育機関)を卒業・修了すると助産師国家試験の受験資格が得られます。
主なルートは以下の3種類です。





3種類もルートがあるんですね!



後悔しない進学先を決めるためにも情報収集から始めましょう!
助産師学校選びのポイントは?
先ほど3種類のルートがあると説明しましたが、それぞれの進学先の特徴を説明します。
- 大学院の修士課程
修士課程は2年。既に「学士」の学位を持っていることが条件になり、「修士」の学位が得られる。 - 大学の専攻科
専攻科過程は1年。既に「学士」の学位を持っていることが条件としている。 - 助産師養成(専門)学校
1年課程。受験資格に大学卒の学位は必要ない。カリキュラムは大学の専攻科と大差なし。



学士や修士の違いは?
修士は、大学院の修士課程を修了した人に与えられます。一般社会では「院卒」と呼ばれることがあります。学士は学部(4年制)を卒業すると与えられます。「大学の看護学部卒」「看護大学卒」の場合、学位は学士を指します。



自身の状況や将来に応じて、ルートが決まったら…志望校選びのポイントも少し解説します。
以下の6点が志望校選びのポイント
- 入学の難易度
- カリキュラムの内容
- 教員の質
- 国家試験受験資格以外の資格取得
- 卒後の就職先
- 学費
入学の難易度
助産師学校の受験はどこも勉強は大変ですが、やはり1年生の助産師養成(専門)学校の倍率は5~10倍と高い傾向にあります。
地方の大学院だと1~2倍という比較的倍率が低いところもありますが…修士課程は2年の期間を要し、「学士」の学位を持っていることが条件になります。「修士」のハードルが高いこともあり、倍率だけが単純に難易度を比較するのは難しいです。
受験科目やその配分も助産師学校によって違うので、自身の得意分野で闘えるか、苦手を克服しなければいけないのかも考える必要があります。
カリキュラムの内容
大学の専攻科、助産師養成(専門)学校のカリキュラムには大きな差はないと思います。助産師免許取得の目的が大きければ、カリキュラムの内容の優先順位は下げてもよさそうです。
大学や大学院は、研究機関でもあるので研究手法を学ぶなら、大学院の修士課程がおススメです。大学院によって研究色の強い学校もあれば、実践に重きを置いている学校もあるので、オープンキャンパスや研究室訪問など、助産師として学びたいことが明確な場合は、調べてみる価値があります。
教員の質
教員の経歴を調べます。臨床経験が何年あるか、どういう場所で勤務していたかがわかれば調べた方がいいと思います。
『学びたい分野がある』・『研究したことがる』場合は、その分野で活躍されている教授や教員がいるかを調べる必要があります。教員がどんな研究をしているか、学会に所属しているか、教科書を書いているかなどもある程度調べることができます。長期で勤務している教員がいるかも調べたり、見学会で聞いてみたりしてみても良いと思います。
国家試験受験資格以外の資格取得
学校によって違いますが、国家試験受験資格以外の資格取得ができます。主な資格は以下のものがあります。
- 新生児の蘇生法(NCPR)
- 受胎調節実地指導員
- ベビーマッサージ
- マタニティヨガ など…
助産師になってからも、これらの各種資格を取得することもできます。



NCPRは入職後すぐに必須になるので在学中に資格取得できるといいと思います。
卒後の就職先
最近は都市部の病院勤務の助産師数は増えており、特に人気のある病院ではかなり就職倍率も高くなる傾向にあります。
大学病院や周産期母子医療センターなどの規模が大きい病院では、大学の専攻科や大学院の方が有利なことが多いです。養成(専門)学校でも歴史ある学校や人気の高い学校の方が就職には有利と聞きます。
卒業生の就職先を学校説明会や見学会で情報収集しておいて損はないと思います。
学費
検索で調べた学費の相場は以下の通りです。
- 大学院の修士課程 ※2年間
【国公立】130万円
【私立】 280万円 - 大学の専攻科 ※1年間
100万円~250万円 - 助産師養成(専門)学校 ※1年間
30万円~300万円
あくまで学校によってかなり開きがあるので、志望校の候補が決まってから個別に学費を算出する方が正確です。
学費以外にも、実習費や図書費がかかる場合もあるので学費を調べる時にはこちらも併せて調べてみてください。



他にも在学中の生活費も考えると凄い金額になりそうですよね。
看護師資格を活かして効率よく学費&生活費を確保しよう
もし勤務する病院に進学休職制度があれば、1年ないし2年休職する事が出来ます。また、助産師学校への進学を出張扱いにしてくれ、給与をもらいながら資格取得を目指せるという支援制度がある病院もあるようです。そのような制度がない場合でも、残業がない部署に異動願いを出して勉強時間を確保するという方法も考えられます。
長期的な視野で助産師を目指すのであれば、進学休学制度や資格支援制度がある病院に転職するのも賢い選択かもしれません。どこの病院であればそういった支援制度が整っているか、人材紹介会社で紹介してもらうのもいいかもしれません。
助産師学校に通う方の中には、常勤ではなく夜勤専従の非常勤として月に数回アルバイトをしながら勉学に励んでいるという方もいます。
また、助産師学校の夏休み期間を利用して短期の看護師バイトを行う方もいますので、ぜひ看護師の求人サイトでアルバイトの検索をしてみてください。
奨学金を借りるという方法もありますが、借金になるので将来の負担は少しでも減らしたいですよね…



節約に詳しい看護師のナースマンさんのブログおススメです。
看護師経験年数10年以上。2度の転職で年収100万円以上アップしたナースマンさん。この前、助産師の仕事についてインタビューを受けたので興味がある方はぜひご覧ください。


助産師になるまでの過程を6Stepで全体像を把握
看護師から助産師になる3つのルートと助産師学校選びのポイントから、志望校の情報収集を行います。



文部科学省が公表している全国の助産師学校の一覧が参考になるよ。
情報収集後、進学先を決定したら受験に向けて対策の必要があります。
働きながら受験勉強を行うことは大変ですが…実際に働きながら&子育てしながら合格した先輩がいます。





この対談で感じた合格のポイントは、受験対策の時間の確保!!
合格に向けて対策する時間の確保、環境に身を置くことは大切。
学費や在学中の生活費を考えると、受験のために看護師を退職して勉強に専念するってなかなか現実的ではありませんよね…



むしろ看護師の資格を活かして、効率的に稼ぎませんか?
志望校によって受験科目の違いはありますが…面接&小論文の対策は必須だと思います。
母性や小児の学科も受験科目にある場合も…



先輩たちのリアルな受験対策を紹介します♪


助産師学校に合格後、学生生活が待っています。
講義以外にも、演習やグループワーク、実習と助産学生は大忙し…



助産実習はとっても大変…
大変ですが、たくさんの学びがあります。この記事を読めば、大変な実習を乗り越えるヒントがあります!!


助産師になるためには、病院や助産所での臨地実習が必須で、妊娠期・分娩時期・産褥期・新生児期における様々な実務を現場で学びます。分娩介助の実習においてはオンコールの当番制をとっている学校もあります。いつ呼び出されてもいいよう待機しておかなければいけません。いつ陣痛が来るか分からないので、夜に突然呼び出される場合もあります。分娩介助の実習は、正常分娩を10例介助するといわれますが、お産のタイミングやコロナの状況もあり予定通りには中々いかないのが現実です。
助産学生は大忙しとお伝えしましたが…在学中に助産師として就活しなければいけません。
看護師として働いた経験を基に、就職先を探せる強みはあるものの…助産師特有の就職前に知っておきたい情報気になりませんか?



この記事を読めば、就活対策バッチリです!!


最後に国家試験合格するという試練が待っています。


まとめ
看護師として働きながら助産師を目指すことは簡単なことではありませんが、ポイントさえ押さえれば実現可能だと思います。



助産師になりたいという気持ち諦めないで
私は助産師という仕事が大好きです。看護師という仕事もまた尊い仕事であると思います。
看護師経験のある助産師は、看護の視野が広いです。助産師として働き始める時、看護師経験が武器になります。だからこそ…助産師になりたいという意思がある看護師さんを応援したいと思います。