
お産が怖いよ



母児の命がかかっているなんて、私には荷が重いよ



そうだよね…私も『お産が怖い』



でも…いつもとは違う視点で『お産が怖い』ということを一緒に考えてみない?
この記事は、こんな悩みの方におススメ!
- 『お産が怖い』という漠然とした不安がある方
- 分娩介助に苦手意識がある方
- 助産師という仕事の責任の重さに潰れそうな方
- 『助産師はお産取れるべき』という風潮に辛さを感じている方
お産が怖いー責任の重さに耐えられません
分娩は何があるか分かりません。『お産を怖い』と感じることは、私は当然だと考えています。
お産を怖くないと思う助産師がいたら、私はその人に分娩介助してもらいたいと思いません。
確かに、『母児の命を預かる』って責任重大です。でも、その責任感がなければ、助産師に限らず医療の現場では働けないと思っています。そして、この責任感が私たちを成長させてくれると考えるからです。
でも、『お産が怖い』・『責任の重さに耐えられない』のが辛いなら『助産師向いていないから、辞めたほういい』と主張したい訳ではありません。
私が伝えたいのは、別の視点から『お産が怖い』ことと『責任が重い職業』ということに向き合ってほしいということです。
私が考える『お産が怖い』
『お産が怖い』という意識が強い助産師は、2つのタイプに分かれると思います。



これは、持論で『怖い』という助産師を否定したい訳ではありません。
『怖い』という感情に支配されているタイプ と 『怖い』からこそ慎重になれるタイプ です。
前者は感情だけで、そこから思考が止まっているので成長がありません。
後者は論理的に『怖い』お産にならないようにするには?と考えられるタイプです。
リスクに敏感なので、少しの異常でもキャッチする『高いアンテナ力』と予防的に関わる姿勢から『先を見通す力』が備わっています。



私は『お産が怖い』と認識しながら、この2つの力が弱いので…『高いアンテナ力』と『先を見通す力』を磨いている最中です。
私が考える『責任の重さに耐えられない』
責任感があるのは、非常に大切なことですが…1人で責任を取ろうと考えるから、しんどくなるでは?と私は思っています。



責任転嫁すればいいと言っている訳ではありません!
新人時代、赤ちゃんの心音の回復が悪くて、急速遂娩になったことがありました。赤ちゃんは気管挿管し、NICUに入院しました。その分娩の後、『責任の重さに耐えられない』と泣いてしまったことがありました。その時、尊敬する助産師(現 副師長さん)に喝を入れられた日のことを思い出します。



キャリーさん、1人で分娩介助してる気になってない?新人助産師が1人で責任とれるほど、分娩甘くないわよ。なんのために、Drがいて、私らがいるんよ…
泣いているメンタルに、ガツンと言われたので、心がポキッていくところですが…言われたのが尊敬している副師長さんだったからこそ、納得した部分がありました。
なぜなら、この副師長さんこそ、誰よりも『高いアンテナ力』と『先を見通す力』で分娩に向き合う姿勢を後輩に示してくれているからです。



今振り返っても、1人で責任取ろうなんて『おこがましい』ですよね。思い出しただけで、恥ずかしいエピソード。
責任を持って取り組む姿勢は大事ですが、責任の重さに潰れる必要はないことを教えられました。
チームでより安全で快適なお産を目指す。
だって、1人で母児の安全を守るなんて、その考え方が安全じゃない。
『お産が怖い』・『責任がある』からこそ努力していること



一応助産師の端くれとして、意識していることがあります。
- お産の振り返りをチームですること
- 振り返りから、次に生かせる部分を考えること
- CTGモニターと血液ガス結果、赤ちゃんの状態を繋げて確認すること
- バースレビューを通して、産婦さんに分娩の評価を聞くこと
- 産科医療保障制度の提言、報告書を読むこと
- 『怖いお産』の話を聞いて、自分が現場にいたならどう動くか頭でシミュレーションすること
どれも正直面倒だし、大変ですが…『お産が怖い』・『責任がある』からこそ、できることだと思います。
これをやることで、必要以上にお産を恐れなくなったし、責任感で潰れることはなくなりました。
『お産取れない』=『助産師失格』ではない!!



助産師だから『お産介助できて当たり前』という風潮や考え方に私は違和感を覚えます。
助産師ってお産とるだけが仕事じゃない。
助産師としての専門性は、『母乳育児』や『育児相談』、『性教育』など多方面で発揮できる。
これらの領域で専門性を発揮するために、お産をとらない助産師はたくさんいます。



私には、得意と自信を持っていえるものがないので、これらの専門領域で働く助産師を尊敬しています。
仮に、お産が怖くて別の領域を選んでもいいと思います。それは、能力の問題ではないと思うから。
『お産が怖い』から離れるという決断も勇気も、責任のある行動だと思います。
個人の能力の問題じゃなくて、『お産が怖い』ことで能力が十分に発揮できない心身の状態が問題。
それを理解し、離れるという決断をした人を誰が責めることができるのだろう。



『お産取れない』=『助産師失格』ではない!!声を大にして言いたい。
私らしい助産師を見つけるために
私らしい助産師の働き方を見つめる。
ワークライフバランスに応じた働き方を考える。
極めたい助産師の専門領域ができる環境を見つける。
そんなことを、3月8日(産婆の日)に考える助産師キャリーでした。



私らしい助産師を見つけるために、職場探しのポイントや転職について、今後記事を書いていこうと思います。
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